個人事業主の交際費はどこまで経費にできる?

個人事業主の交際費はどこまで経費にできる?

仕事をするうえで、取引先との食事や会議などは「交際費」として経費にできます。

しかし、「交際費としてどこまでが認められるのか?」という点について、細かく理解できている方は少ないのではないでしょうか。

そこで本記事では、個人事業主の交際費について詳しく解説します。

2024年の税制改正についても触れているので、そちらも合わせて参考にしてください。

個人事業主の社会保険

個人事業主の接待交際費とは?

個人事業主の接待交際費とは?

個人事業主の接待交際費は、必要経費として認められます。

事業収入を得るために直接要した費用や業務上の費用に該当する場合のみ計上可能です。

国税庁では、経費に認められるものとして、以下のように定めています。

  • 総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額
  • その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額
    引用元:No.2210 必要経費の知識|国税庁

例えば、取引先との商談で発生した飲食費は、業務遂行上必要と認められれば経費になります。

ただし、単なる領収書の存在だけでは不十分で、接待の相手や目的を明確に示せることが重要です。

個人事業主の交際費で経費として認められるものと認められないもの

個人事業主の交際費で経費として認められるものと認められないもの

個人事業主の交際費で経費として認められるか認められないかは、業種によって異なります。

以下では、参考例としてどのようなものが経費になり、どのようなものが経費にならないのかを解説します。

交際費以外の経費については、以下の記事でも解説していますので、そちらも参考にしてください。

経費として認められる交際費

経費として認められる交際費は、事業に直接関連し、業務上必要不可欠なものに限られます。

当然ながら、友人との食事代などは交際費として認められません。

例えば、以下に当てはまるものは交際費として認められる可能性が高いです。

  • 取引先との会食費
  • 取引先へのお中元・お歳暮・ご祝儀等
  • 取引先との懇親目的でのイベント参加費

※これから取引先になる可能性のある相手も含む

単なる私的な付き合いや、事業との関連性が薄い支出は経費として認められません。

経費として認められない交際費

個人事業主の交際費として認められないのは、業務と直接関連しない支出です。

友人や家族との食事、旅行代、個人的な健康管理費用などがこれに該当します。

例えば、家族旅行や友人との誕生日会の費用は、たとえ事業のアイデアを話し合ったとしても、経費として認められません。

ただし、業種や状況によっては線引きが難しい場合もあります。

芸術関係者の場合、知人も潜在的な顧客となり得るため、一部の交流費用が認められる可能性があります。

また、家族が事業を手伝っており、慰労の意味で接待をするならば、福利厚生費として認められる可能性があります。

個人事業主の交際費に上限金額はある?

個人事業主の交際費に上限金額はある?

個人事業主の接待交際費には、必要経費と認められる限り上限金額は設定されていません。

これは、事業の規模や業種によって適切な接待交際費の金額が大きく異なるためです。

例えば、高額な契約を扱う不動産業者と、小規模な個人サービス業では、必要とされる接待交際費の金額に大きな差があります。

ただし、無制限に経費計上できるわけではありません。

税務調査の際に、その支出が本当に事業に必要だったかを説明できることが重要です。

個人事業主の交際費と法人の違い(資本金1億円以下の中小企業の場合)

個人事業主と中小企業(資本金1億円以下)では、交際費の扱いが異なります。

個人事業主の場合、必要経費と認められれば金額の上限なく全額を経費計上できます。

一方で、中小企業は800万円までの接待交際費全額、またはすべての接待交際費の50%のいずれかを選択して損金算入できます。

例えば、年間1000万円の交際費を使った場合、個人事業主なら全額経費になりますが、中小企業は800万円か500万円のみが損金算入可能です。

個人事業主の交際費と法人の違い(資本金1億円超の中小企業の場合)

資本金1億円超の大企業は、接待交際費の取り扱いに特別な規定があります。

大企業は、支出した接待交際費の50%のみを損金算入できます。

この規定は、大企業の過度な接待を抑え、公平な税負担を確保するためです。

例えば、1000万円の接待交際費を使用した場合、500万円のみが損金算入可能で、残りの500万円は課税対象となります。

ただし、この「50%ルール」は特例措置として認められているものです。

個人事業主とサラリーマンの交際費の取り扱いの違い

個人事業主とサラリーマンの交際費の取り扱いの違い

個人事業主とサラリーマンでも、交際費の扱いは異なります。

サラリーマンの経費は、あくまで会社の経費です。

一方で、個人事業主は会社が負担してくれるわけではありません。

具体的な違いについて、見ていきましょう。

サラリーマンの交際費の取り扱い

サラリーマンが業務上行う接待や会食の費用は、基本的に会社が負担し、会社の経費として計上されます。

個人ではなく会社の業務として行われるためです。

例えば、営業担当者が取引先を高級レストランに招待した場合、その費用は会社が支払い、経費処理します。

ただし、会社の規模により経費計上できる金額に上限があります。

資本金1億円以下の企業では800万円まで、または接待飲食費の50%が上限です。

また、サラリーマンは、一時的に立て替えた場合に経費の申請をすれば会社から全額戻ってきます。

個人事業主の交際費の取り扱い

個人事業主は費用を自己負担し、全額を経費計上できますが、サラリーマンは会社が費用を負担し経費処理します。

例えば、10万円の接待費用が発生した場合、個人事業主は全額を自身の経費として計上できますが、サラリーマンは会社に請求し、会社が経理処理します。

個人事業主には上限がない反面、適切な管理が求められ、売上の7~8%程度に抑えるのが無難です。

一方、サラリーマンは会社の方針に従うだけで済みます。

また、サラリーマンのように「立て替え」がないため、経費計上しても現金が戻ってくることはありません。

個人事業主で交際費を経費計上する際の注意点

個人事業主で交際費を経費計上する際の注意点

個人事業主の交際費を経費計上する際は、以下の2点に注意してください。

  • 領収書・レシートの保管
  • 「いつ・誰と・何に」をメモに残す

上記2つは、交際費としての支出を証明するために必要なものです。

それぞれが重要な理由について、以下で解説します。

領収書・レシートの保管

接待交際費を経費として計上する際は、領収書やレシートを保管しておきましょう。

支出の証拠として税務署に提示できるようにするためです。

例えば、取引先との会食後、レストランから受け取った領収書を紛失すると、その支出を証明できなくなり、経費として認められない可能性があります。

特に高額な接待の場合、詳細な明細書も合わせて保管しておいた方が良いです。

また、請求書や領収書は以下のように保存義務があります。

保存が必要な物保存期間
仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳など7年
損益計算書、貸借対照表、棚卸表など7年
領収証、小切手控、預金通帳、借用証など7年
取引に関して作成し、又は受領した上記以外の書類(請求書、見積書、契約書、納品書、送り状など)5年
引用元:記帳や帳簿等保存・青色申告|国税庁

「いつ・誰と・何に」をメモに残す

接待交際費を適切に経費計上するには、単に領収書を保管するだけでなく、詳細な情報をメモしておきましょう。

その支出が事業に直接関連していることを証明するためです。

例えば、「2024年4月15日、取引先A社の営業部長Bさんと新規契約の打ち合わせ、レストランCにて会食、参加者2名」といった具体的な記録をすると良いです。

詳細な情報があれば、プライベートな支出ではなく、事業に必要な経費であることを明確に示すことができます。

特に、日付、参加者、目的、場所、人数などの情報はメモしておくべきです。

詳細な記録は、税務調査時にも有効な証拠となり、高額な接待費用であっても正当性を主張する根拠となります。

個人事業主も知っておきたい2024年税制改正による交際費等課税のポイント

個人事業主も知っておきたい2024年税制改正による交際費等課税のポイント

2024年4月から、税制改正が行われました。

税制改正の一つに「接待交際費が10,000円以上へ引き上げられた」という項目があります。

この項目を見る限りでは「10,000円以上でなければ交際費として経費にできないのではないか?」と考えてしまう人もいるでしょう。

しかし、実際にはそのような改正ではありません。

以下で、変更の具体的な内容を解説します。

交際費から除外される飲食費の上限が1人あたり1万円になる

2024年4月1日から、法人の交際費から除外される飲食費の上限が1人あたり1万円に引き上げられました。

これまでは、飲食費として計上できるのが5000円まででした。

具体的に解説すると、例えば資本金が100億円を超える大手企業の場合、交際費は損金不算入でした。

しかし、5000円までであれば、飲食費や会議費の名目で損金にできたのです。

この幅が5000円から1万円に引きあがりました。

なお、この改正は法人税に関する内容なので、個人事業主は関係していません。

交際費を理解して上手に節税しましょう

個人事業主の交際費には上限がありません。

だからと言って、どのような食事でも交際費にできるわけではないので注意してください。

しかし、個人事業主として仕事をする中で、どうしても手元にお金を残したいと考えるケースもあるでしょう。

そのような場合は、加入保険の見直しをおすすめします。

基本的に個人事業主は国民健康保険や国民年金に加入しますが、個人事業主で社会保険に加入すれば、月々の保険料を安くできます。

私たち一般社団法人全国個人事業厚生会にご入会いただければ、個人事業主でも社会保険に加入可能です。

当会に加入いただいた場合の社会保険料は毎月約45,000円なので、現在国民健康保険と国民年金で合計45,000円以上支払っているのであれば、確実にお得です。

ご相談は無料ですので、まずは以下のページから具体的な内容をご確認ください。

個人事業主の社会保険