昨今では、会社員などから独立して個人事業主(フリーランスを含む)になる方が増えています。
令和2年度、内閣官房日本経済再生総合事務局による「フリーランス実態調査結果」によると、日本のフリーランス人口は本業が214万人、副業が248万人にものぼるそうです。
今回の内容は、この本業で個人事業主をされている214万人が知っておくべき情報として、「個人事業主の社会保険加入」や「会社員の社会保険料との違い」ついて解説します。
ぜひ個人事業主として活動されている方は、参考にしてください。
そもそも社会保険とは?

まずは「社会保険」について解説します。
多くの人は「社会保険」と「国民健康保険」で分けて考えていますが、正確には国民健康保険も社会保険の中のひとつです。
そのため、個人事業主となってから加入する国民健康保険も、社会保険だと考えてください。
具体的に個人事業主が加入できる社会保険は、以下の3つとなります。
- 健康保険
- 年金保険
- 介護保険
以下で、3つそれぞれがどのような保険なのか、解説します。
健康保険
国民健康保険は、都道府県と市区町村が運営する医療保険です。
会社員の場合は、通常会社が独自に運営する健康保険組合、または全国健康保険協会が運営する協会けんぽに加入します。この場合、保険料は加入者本人と所属する会社で半分ずつ負担します。
一方で、個人事業主の場合は、原則として国民健康保険に切り替わり、保険料を全額負担しなければいけません。
年金保険
年金保険制度は、個人事業主と会社員で大きな違いがあります。
日本の年金制度は「基礎年金」と呼ばれる国民年金をベースとしており、業種や働き方によって以下の3つに割り振られます。
- 国民年金(基礎年金)
- 厚生年金
- 企業年金
会社員の場合は、厚生年金や企業年金となりますが、個人事業主が加入するのは国民年金(基礎年金)のみです。
また、健康保険と同様、会社員の場合は会社と本人で半分ずつの負担になりますが、個人事業主は全額自己負担となります。
介護保険
介護保険は、65歳以上の高齢者等の介護を社会全体で支えるための仕組みです。
会社員も個人事業主も関係なく、保険料の支払いが義務付けられています。
ただし、介護保険の加入は原則40歳からなので、40歳未満の場合は介護保険料の支払い義務はありません。
この介護保険料に関しても、他の保険料と同様で、個人事業主は全額自己負担となります。
個人事業主の社会保険と会社員の社会保険の違い

個人事業主の社会保険と会社員の社会保険の大きな違いは、負担額です。
上記でも解説したように、会社員の場合は会社と保険料を折半します。
しかし、個人事業主は保険料を全額自己負担で支払わなければなりません。
以下では、「健康保険・年金保険・雇用保険・労災保険」の個人事業主と会社員の社会保険について以下にまとめました。
健康保険
【個人事業主】
- 世帯主とその家族の医療費窓口負担が1~3割
- 出産育児一時金や葬祭費などの給付が受けられる
- 保険料は世帯収入に応じて決定
- 保険料は全額自己負担
【会社員】
- 本人およびその扶養家族の医療費窓口負担が2~3割
- 出産育児一時金、被保険者が病気やケガで働けないときに給与の約3分の2が支給される傷病手当金などの給付が受けられる
- 保険料は給与の額に応じて決定
- 保険料は会社と折半
年金保険
【個人事業主(国民年金の場合)】
- 毎月一定の保険料を支払い
- 保険料は全額自己負担
【会社員(厚生年金の場合)】
- 保険料は給与の額に応じて決定
- 保険料は会社と折半
- 国民年金保険料が含まれる
雇用保険
【個人事業主】
事業主自身の加入不可
【会社員】
- 給与の額に応じて決定
- 失業した際に、一定期間基本手当が受け取れる
- 育児休業給付、介護休業給付の利用可能
- 保険料は会社と折半
労災保険
【個人事業主】
事業主自身の加入不可
【会社員】
- 業務に関連するケガ、病気、障害、死亡の場合に一定の給付が受けられる
- 保険料は会社が全額負担
個人事業主と会社員の配偶者による社会保険の違い
会社員の場合は、配偶者や子どもは扶養家族として、社会保険料がかかりません。
しかし、個人事業主が加入する国民年金や国民健康保険には扶養家族の概念がないのです。
そのため、国民年金の保険料は収入に関係なく個別で支払う必要があります。
| 個人事業主の社会保険 | 会社員の社会保険 |
| 世帯主…年金+保険料 配偶者…年金+保険料 子ども…保険料 ※配偶者は無収入の方が対象 | 世帯主…年金+保険料 配偶者…0円 子ども…0円 ※配偶者は無収入の方が対象 |
上記のような違いがあるため、会社員の社会保険に加入している方が、金銭的負担を抑えられるのです。
個人事業主が加入できる社会保険

個人事業主が加入できる健康保険は、国民健康保険だけではありません。
国民健康保険のほかにも、以下3つの選択肢があります。
- 健康保険組合の任意継続
- 各団体の健康保険組合
- 扶養家族として社会保険に加入する
国民健康保険のデメリットを感じる個人事業主は、上記3つの選択肢も検討してみましょう。
以下で、それぞれのメリットや特徴について解説します。
健康保険組合の任意継続
健康保険組合の任意継続とは、会社の健康保険を任意的に継続する方法です。
いくつかの条件はありますが、任意継続をすれば扶養家族の保険料を支払わずに済みます。
ただし、任意継続をするには、退職日の翌日から20日以内に申請しなければいけません。期限を過ぎると申請できなくなります。
任意継続が認められた場合も、最長2年までしか継続できません。
また、任意継続した場合、1日でも保険料の支払いを滞納すると脱退となるので注意してください。
各団体の健康保険組合
各業界・団体では、それぞれに保険組合を用意されているケースがあります。
代表的な例は、以下の3つです。
- 文芸美術国民健康保険組合
- 東京美容国民健康保険組合
- 地方自治体ごとの国民健康保険組合
業種によって保険組合があるかどうかは異なりますが、自治体であれば業種関係なく加入できます。
扶養家族として社会保険に加入する
配偶者や家族が会社に所属していて社会保険に加入しているのであれば、あなたが扶養になるという方法も検討できます。
個人事業主であっても、家族の扶養に入ることは問題ありません。
ただし、扶養に入る場合は、所得合計額が48万円以下、配偶者は1,000万円以下という条件があります。
条件を満たしていない場合は、ご自身で国民健康保険に加入しなければいけません。
個人事業主が補填として加入しておきたい保険

個人事業主が加入する国民健康保険には、会社員が加入する社会保険よりもデメリットもリスクも高いです。
傷病手当もなく、年金も少なくなります。
そのため、個人事業主は民間の保険も検討しておきましょう。
とくに個人事業主が加入を検討すべき保険は、以下の3つです。
- 医療保険
- 就業不能保険
- 個人年金保険
以下で、3つの保険の特徴や個人事業主が加入した方が良い理由について解説します。
医療保険
個人事業主で余裕があるならば、民間の医療保険を検討しましょう。
先述したように、国民健康保険では労災保険に加入できないため、大きな事故やケガに対応できません。
国民保険の健康保険については、3割程度の自己負担で治療を受けられますが、実際に入院するとなればかなりの費用がかかってしまいます。
しかし、医療保険に加入していれば、入院1日あたり数万円給付されるなどが適用されるので、何か大きな事故や怪我、病気にかかった際にも自己負担金額を補えます。
必ず加入しなければいけないわけではありませんが、もしものことを考えて検討しておきましょう。
就業不能保険
個人事業主は、就業不能保険も検討しておくと良いでしょう。
先述したように、個人事業主が加入できる健康保険では、傷病手当がありません。
しかし、この就業不能保険は、傷病手当の代わりとして使えます。
医療保険と似ている保険ではありますが、就業不能保険は入院を必要としません。
就業が不可能と判断されれば保険金を受け取れます。
個人年金保険
個人事業主は、年金保険についても検討しておく必要があります。
先述したように、会社員の場合は、厚生年金や企業年金によって、個人事業主よりも多くの年金を受け取れます。
しかし、個人事業主の年金は、国民年金(基礎年金)のみで、多額の年金に期待できません。
そこで、年金を補填する目的として、個人年金保険を活用できます。
個人年金保険は、契約時に定めた年齢から5年・10年などの一定期間または亡くなるまでに一定額の年金を受け取れる仕組みです。
年金受取人が受け取り前に亡くなってしまった場合には、保険料に相当する死亡給付金が遺族に支払われます。
また、一定の要件を満たす個人年金保険料は、確定申告の際「個人年金保険料控除」を受けられるメリットもあります。
個人事業主でも社会保険に加入する方法がある!

個人事業主の国民健康保険と会社員の社会保険の違いについて解説しました。
それぞれの違いから「国民健康保険はデメリットばかり」と感じた人もいるのではないでしょうか。
また、個人事業主が加入できる社会保険や民間の保険についても解説しましたが、それぞれに加入してしまうと、結果的に月々の支払負担は多くなってしまいます。
しかし、「個人事業主・フリーランスでも社会保険に入れる」方法があります。
私たち「全国個人事業厚生会」は、個人事業主の方が働きやすい働き方ができるようサポートしており、会員の方は社会保険に加入できるといったメリットがあります。
当会に加入いただいた場合の社会保険料は毎月約45,000円なので、現在国民健康保険と国民年金で合計45,000円以上支払っているのであれば、確実にお得になります。
ご相談は無料ですので、気になる点があればお気軽にご相談ください。


