国民健康保険を安くする方法を徹底解説|その効果と落とし穴とは?

国民健康保険(国保)の保険料負担に悩む個人事業主やフリーランスは少なくありません。

しかし、保険料を安くする方法にはさまざまな選択肢があり、それぞれの効果やリスクを正しく理解することが大切です。

この記事では、国民健康保険を安くする具体的な方法を紹介しつつ、その制約や注意点についても解説します。

国民健康保険料が安くない理由

国民健康保険と社会保険の保険証カードからわかる加入保険の違い

国民健康保険の保険料が高いと感じる理由の一つは、その仕組みにあります。

国保は、原則として加入者自身の所得に応じて保険料が決定される仕組みで、低所得者には軽減措置があるものの、一定以上の所得がある場合は負担が増えます。

これに加えて、国保の財源には加入者が支払う保険料の他に税金が含まれていますが、加入者が減少していることで一人あたりの負担が増えている点も見逃せません。

さらに、サラリーマンが加入する社会保険と異なり、国保では保険料の半額を事業主が負担する仕組みがありません。

そのため、全額を個人で負担しなければならない点が、高額に感じる大きな要因となっています。

また、扶養家族の人数によっても保険料が加算されるため、家族全員で加入している場合は特に負担が増える傾向にあります。

個人事業主の国民健康保険料

個人事業主が支払う国民健康保険料の額は、地域や前年の所得によって異なります。

国保の保険料は主に以下の項目で構成されます。

  • 所得割:前年の所得に応じて計算される部分。所得が高いほど保険料が増えます。
  • 均等割:加入者1人あたりに均等に課される部分。家族の人数が多いほど保険料が増えます。
  • 平等割:世帯単位で課される基本額。
  • 資産割(一部地域のみ):土地や家屋の固定資産税に応じて課される部分。

たとえば、年間所得が400万円の個人事業主が東京23区内で国保に加入する場合、保険料は年間約50万円程度になるケースがあります。

これは、月額にすると4万円を超える額であり、年収に対して大きな負担を占めることがわかります。

さらに扶養家族が増えると均等割が加算されるため、負担はさらに増大します。

一方、自治体によっては低所得者向けに軽減措置を講じている場合もありますが、所得要件が厳しいため、多くの個人事業主はその対象外となる可能性が高いのが現状です。

国民健康保険料を安くする方法

経費計上するために必要なもの

個人事業主の中には国民健康保険料が高く、少しでも安くしたいと考える方は多いでしょう。

厳密にいえば、国民健康保険料は安くなりませんが、以下の方法で費用が抑えられるかもしれません。

  • 所得を抑え、控除を活用する
  • 配偶者の扶養に入る
  • 保険料の減免申請を行う
  • 法人化して社会保険に加入する

それぞれについて解説します。

所得を抑えて控除を活用する

所得が低ければ国民健康保険の保険料も下がるため、経費を多めに計上することで所得を意図的に低く抑える方法があります。

例えば、事業関連の支出を経費として計上し、課税所得を減らすことで保険料を軽減が可能です。

ただし、この方法は金融機関の信用に悪影響を及ぼすことがあります。

所得が低く見積もられるため、融資の審査が通りにくくなるリスクも考慮する必要があります。

将来的に受け取る年金額が減少し、老後の資金計画に影響を及ぼす可能性も無視できません。

また、青色申告特別控除や扶養控除などを利用し、課税所得を減らすことで保険料を抑える方法も考えられます。

ただし、これも所得を抑える行為の一環であり、長期的に見て収入が減るデメリットがあるため注意が必要です。

配偶者の扶養に入る

配偶者の扶養に入ることで、国保を解約し、扶養者の保険制度に切り替える方法があります。

この場合、自身で支払う保険料がゼロになるため、保険料負担を大幅に軽減することが可能です。

しかし、この方法には年収130万円以下という条件が伴います。

地域や扶養者の勤務先の基準によっては、より厳しい条件が課される場合もあるため、全員に適用できる方法ではありません。

扶養に入ることで扶養者自身の負担が増えることもあり、家族内でのバランスを考える必要があります。

保険料の減免申請を行う

低所得者や特定の事情を抱える方を対象に、自治体が提供する保険料減免制度を利用することができます。

申請が通れば保険料が大幅に減額される場合もあります。

しかし、減免措置は一時的なものに限られる場合が多く、長期的な節約には向いていません。

また、手続きが煩雑で、必要書類を揃える手間がかかります。

申請が却下される可能性もあり、期待通りの結果を得られないこともあります。

法人化して社会保険に加入する

法人を設立し、社会保険に加入する方法があります。

社会保険は国保と比べて保険料が安くなることが多く、さらに老後の年金制度も充実しています。

しかし、法人化には初期費用が必要であり、運営コストも発生します。

法人化した事業が軌道に乗らなければ、かえって経済的な負担が増えるリスクもあるため、事業規模や計画に応じた慎重な判断が必要です。

また、家族が経営する会社の従業員として雇用契約を結び、社保に加入する方法もあります。

この場合、家族経営の会社を活用することで比較的簡単に社保の恩恵を受けることができます。

ただし、形式的な雇用関係が疑われる場合、税務署から指摘を受ける可能性があります。

法的な問題を避けるためには、実態のある雇用形態を維持する必要があります。

個人事業主が加入できる健康保険の種類

家事按分とは?

個人事業主やフリーランスは、基本的に国民健康保険に加入することになりますが、他にもいくつかの選択肢があります。

  • 国民健康保険
  • 任意継続保険
  • 業界特化型の健康保険組合
  • 社会保険への切り替え

それぞれの保険制度には異なるメリットやデメリットがあるため、自分に合った制度を選ぶことが重要です。

国民健康保険

国保は、個人事業主が最も一般的に加入する保険制度です。

自治体が運営しており、地域ごとに保険料や制度の詳細が異なる点が特徴です。

先述の通り、所得に応じて保険料が決まるため、高所得者にとっては大きな負担となる可能性があります。

任意継続保険

サラリーマンや会社員として社会保険に加入していた人が退職後に選べる制度です。

退職後も最長2年間、会社員時代の社会保険を継続して利用できる点が特徴ですが、保険料は全額自己負担となります。

国保と比較して保険料が高くなる場合もあるため、選択には注意が必要です。

業界特化型の健康保険組合

一部の職種や業界に特化した健康保険組合が存在します。

例えば、芸術家や作家、建設業従事者向けの保険組合があります。

このような組合に加入することで、国保よりも保険料が安くなる場合がありますが、加入資格が限定されているため、誰でも利用できるわけではありません。

社会保険への切り替え

法人化や家族経営の会社での就労を通じて、社会保険に加入する方法もあります。

社会保険は、健康保険だけでなく厚生年金も含まれるため、老後の年金制度を充実させることができるのが特徴です。

ただし、法人化には運営コストや手続きの手間が発生します。

国民健康保険へ未加入という選択肢は可能なのか?

個人事業主の経費として計上できないもの

一部の個人事業主が「国民健康保険に加入しない」という選択肢を検討することがありますが、これは法律上許されていません。

日本では、すべての国民が何らかの健康保険に加入することが義務付けられており、国保もその一環です。

未加入の場合、保険料を支払わないことになりますが、その結果として以下のリスクが発生します。

  • 保険料の未納状態が続くと、延滞金が発生する。
  • 健康保険証が発行されず、医療費が全額自己負担となる。
  • 最終的に差押えなどの強制執行が行われる場合がある。

特に医療費全額負担のリスクは大きく、万が一の病気やケガで高額な医療費が発生した場合、金銭的な負担が非常に大きくなる可能性があります。

国保以外の保険に切り替えることで未加入状態を回避する選択肢はありますが、完全に保険制度から離れることは推奨されません。

国民健康保険未加入のデメリット

国民健康保険とは

国民健康保険に未加入でいることは、法律違反であるだけでなく、生活全般に深刻な以下のようなリスクをもたらします。

  • 高額な医療費が自己負担になる
  • 未納分と延滞金の請求
  • 社会的信用の低下
  • 法的リスク

国民健康保険未加入によるデメリットを以下に詳しく説明します。

高額な医療費が自己負担になる

健康保険に加入していないと、医療費は全額自己負担となります。

通常、保険に加入していれば3割負担で済む医療費が、未加入の場合は10割負担となります。

例えば、入院や手術で医療費が100万円かかった場合、保険加入者は30万円で済むのに対し、未加入者は全額を自己負担しなければなりません。

さらに、重篤な病気や事故によって長期的な治療が必要になると、その負担額は数百万円単位に達することもあります。

このようなリスクを考えると、保険未加入状態でいることは非常に危険です。

未納分と延滞金の請求

国保に未加入でいると、後に加入手続きをした際に、過去の未加入期間分の保険料をまとめて請求される場合があります。

これに加えて延滞金が発生することもあり、負担がさらに大きくなります。

自治体によっては督促状や差押えといった法的措置を取ることもあるため、未納のまま放置することは推奨されません。

社会的信用の低下

保険未加入状態は、社会的な信用にも悪影響を及ぼします。

例えば、国保未加入であることが発覚した場合、金融機関の融資審査で不利に働くことがあります。

また、未加入者は健康保険証を提示できないため、医療機関での診療を受ける際にも不便を強いられることが少なくありません。

法的リスク

日本では国民皆保険制度が採用されており、何らかの保険に加入することが法律で義務付けられています。

国保を含む保険に未加入であることは法律違反に該当し、自治体から是正措置を求められる可能性があります。

国民健康保険の保険料は義務化されている

国民健康保険の保険料を安くする方法には、所得の調整や扶養の活用、保険料の減免申請など、さまざまな選択肢があります。

しかし、それぞれに条件や制約があるため、長期的な節約につながらない場合も少なくありません。

また、未加入という選択肢は法律的にも認められておらず、むしろリスクを増大させるだけです。

持続的に保険料負担を軽減したい方には、弊会、一般社団法人全国個人事業厚生会が提供する社会保険制度を検討することをおすすめします。

この制度なら、月額45,000円という安定した保険料で安心感を得ることができます。

保険料の負担に悩むすべての個人事業主やフリーランスの方にとって、有益な選択肢となるでしょう。