会社に勤めていた人が離職して独立する際、社会保険から国民健康保険へ切り替える必要があります。
基本的に、勤めていた会社の社会保険は使えません。
※退職後2年は任意継続が可能(関連記事:個人事業主は社会保険の任意継続と国民健康保険どちらがいい?)
しかし、いざ保険を切り替える際、どのような手続きで進めれば良いかわからない方もいるでしょう。
本記事では、社保から国保への切り替え手続きのタイミングや進め方について解説します。
社会保険から国民保険に切り替えるタイミング

退職日の翌日から医療費を自己負担しないためには、国民健康保険の加入手続きを早く終えることが必要です。
社会保険の資格が退職日で消えるため、翌日から新しい保険が有効になる状態を整えなければなりません。
退職前の社保から国保への切り替え手続きはできる?
退職前に国民健康保険へ切り替えることはできません。
退職前は社会保険に加入しているため、加入条件である「ほかの公的医療保険に加入していないこと」を満たさないからです。
資格喪失日の確認に使う証明書も退職後でなければ発行されません。
ただし、退職後に迷わず手続きできるよう、必要書類を確認し揃えておく準備は可能です。
事前に段取りを決めておくことで、退職後の切り替えをスムーズに進められます。
社保から国保への切り替え手続きについて

退職後の生活で医療費負担を増やさないためには、自分で国民健康保険と年金の切り替えを進めます。
社会保険は会社が手続きしますが、国民健康保険は退職者本人が動かなければ加入が進みません。
加入窓口では資格喪失日や身分証を確認しながら処理を進めます。
必要書類が揃っていればその場で加入可能です。
以下では、社保から国保への切り替え手続きとして、6つについて解説します。
- 会社側がおこなう手続き
- 手続きは退職者がおこなう
- 健康保険証を返してもらう
- 年金の更新手続きについて
- 切り替えに必要な書類
- 書類の提出方法・期限
会社側がおこなう手続き
退職後に自分で国民健康保険へ加入するためには、会社の資格喪失手続きが完了している必要があります。
会社は退職日の翌日から5日以内に「被保険者資格喪失届」を提出し、この処理が終わると退職者は切り替えに必要な証明書を受け取れます。
証明書が届かないと窓口での加入手続きが進まず、加入時期が遅れる可能性があります。
会社から受け取る書類は後の手続きに必ず使うため、届いたら内容を確認し保管してください。
手続きは退職者がおこなう
社会保険の資格喪失後は、自分で国民健康保険への加入手続きを済ませる必要があります。
市区町村窓口では本人確認と資格喪失の確認をもとに加入を進めるため、会社が代行する仕組みではありません。
必要書類を揃えておけば手続きは短時間で終わります。
健康保険証を返す
退職時には会社へ健康保険証を返却してください。
保険証が残ったままだと資格喪失後に誤って医療機関で使用してしまい、後から返金や訂正が必要になることがあるからです。
返却後は会社が資格喪失の手続きを進め、退職者はその証明をもとに国民健康保険へ加入できます。
年金の更新手続きについて
退職後は国民健康保険だけでなく年金の切り替えも必要です。
厚生年金から国民年金へ変更しないまま放置すると、未納期間が生じて将来の年金額が減る可能性があります。
市区町村窓口では基礎年金番号や本人確認書類をもとに加入区分を変更できます。
健康保険と同じく退職日の翌日から14日以内に手続きすれば問題なく切り替えられます。
切り替え手続きに必要な書類
切り替えを進めるには、以下の書類を揃えてください。
- 健康保険資格喪失証明書
- 本人確認書類
- マイナンバー
- 印鑑
市区町村によって求められる書類が異なる場合があるため、事前に確認しておくと当日の手続きがスムーズです。
書類が揃っていればその場で加入が完了し、保険証の発行準備が進みます。
書類の提出方法・期限
国民健康保険と国民年金の切り替えは、市区町村の窓口へ書類を提出する流れで進みます。
退職日の翌日から14日以内に提出すれば空白期間を避けられます。
郵送で受け付けている自治体もあるため、外出が難しい場合は確認しておくきましょう。
期限を過ぎると医療費を一時負担する可能性があるため、早めの準備をしておいてください。
社保から国保への切り替え手続きで注意すべきポイント

切り替えが遅れると医療費を全額負担する期間が生じることがあります。
退職後すぐに手続きを進めましょう。
必要書類を事前に揃えておけば窓口での処理が短時間で終わるので、できるだけ早めに進めてください。
14日以内に間に合わず空白期間が発生した場合
14日以内に加入できなかった場合、病院で支払う医療費を一時的に全額自己負担する可能性があります。
後日申請すれば7割は払い戻されますが、まとまった金額を立て替える負担が大きくなります。
また、遅れた期間分の保険料も遡って支払う必要があります。
切り替え手続きをおこなわなかった場合のリスク

社保から国保への切り替えを放置すると、医療費負担や将来の年金額に影響が出ます。
未加入期間は無保険扱いとなり受診時の負担が増え、年金では未納として扱われます。
以下では、特に具体的なリスクについて解説します。
国民健康保険への加入が遅くなる
加入が遅れると、医療機関の受診時に、医療費を全額支払う必要が出る場合があります。
あとから7割分は返金されますが、一時的な負担は大きくなります。
また、遅れた期間の保険料も遡って請求されます。
国民年金への加入が遅くなる
年金の切り替えが遅れると未納期間が発生し、将来受け取る年金額が減る可能性があります。
障害年金にも影響するため、早めに加入区分を変更してください。
切り替えは、必要書類が揃っていれば窓口で短時間で完了します。
過誤納の可能性
新しい勤務先の保険加入と国民健康保険の脱退時期がずれると、双方から保険料が引かれることがあります。
重複分は返金されますが、申請の手間が増えます。
切り替えを早めに済ませることで余計な負担を避けられるので、必ず手続きを済ませておきましょう
社会保険から国民保険に切り替えない選択肢

退職後の保険料負担を抑えるには、国民健康保険以外の制度を比較して自分に合うものを選ぶのも良いでしょう。
任意継続や配偶者の扶養に入る方法は、保険料や家族構成によって有利になる場合があります。
以下では、国民保険に切り替えない3つの方法について解説します。
任意継続
退職後も最長2年間は以前の健康保険を利用でき、条件次第で保険料を抑えられる可能性があります。
任意継続の保険料は退職時の給与を基準に算出されるため、前年所得が高い人や扶養家族が多い人は国民健康保険より安くなることがあるのです。
ただし、会社負担分が上乗せされるため、現役時より保険料が高くなることも。
加入するには退職日の翌日から20日以内に申請が必要です。
配偶者の扶養に入る
条件を満たせば配偶者の扶養に入り、退職者自身の健康保険料を0円にできます。
扶養手続きは配偶者の勤務先で進められ、収入基準として年間収入または見込み年収が130万円未満であることが求められます。
さらに、雇用保険の基本手当が日額基準を超えない必要があります。
基本手当は収入扱いとなるため、受給額や退職金によっては基準を超える場合があるので注意してください。
社会保険に加入できる仕組み・制度の利用
個人事業主でも社会保険に加入できる制度・仕組みがあります。
個人事業でありながら社会保険に加入でき、保険の負担も抑えられます。
たとえば、当協会の厚生会です。
厚生会に加入していただくと、個人事業主でも社会保険への加入が可能です。
詳しくは、下記のページをご確認ください。

退職時には保険の手続きを理解しておきましょう
会社を退職する際には、必ず保険の手続きをおこないましょう、。
保険の切り替え手続きが遅れてしまうと、さまざまなリスクが発生してしまうからです。
しかし、もし社会保険から外れたくない場合は「任意継続・扶養に入る・厚生会」などの方法があります。
ぜひご自身の生活に合わせて、合ったものを選んでください。
手続きなどに悩まれる場合は、当協会の代表にも相談できますので、お気軽にお問合せください。




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